2019 年 13 巻 2 号 p. 95-107
近年,コンピュータやセンサの性能の飛躍的な向上に伴い,様々な種類のデータを誰でも手軽に利用できるようになってきた.信号処理や機械学習の分野では,データのスパース性に着目したスパースモデリングにより,高次元のデータを効率的に処理する手法が注目されている.更に,空間的に点在する大量のデータをネットワークの構造を生かして分散的に処理する分散スパースモデリングの重要性も高まっている.本稿では,分散スパースモデリングの理論的基礎をマルチエージェントシステムの制御の観点から解説する.また,マルチエージェントネットワーク上のビッグデータ解析への応用例として,スマートセンサネットワークによる分散環境計測を紹介する.