電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review
Online ISSN : 1882-0875
ISSN-L : 1882-0875
SIS研究会提案
一般化自己組織化マップを実現するモジュラーネットワーク
徳永 憲洋
著者情報
ジャーナル フリー

2020 年 14 巻 2 号 p. 97-106

詳細
抄録

データの視覚化はデータの関係性や隠れた情報を解釈するうえで重要なテクニックである.データの視覚化の方法としては主成分分析が広く知られているが,人工ニューラルネットワークの一つであるKohonenが提案した自己組織化マップ(SOM: Self-Organizing Map)もデータの視覚化ツールとして広く用いられている.SOMは多次元空間上のデータを二次元程度の低次元空間に位相を保存したまま写像することによりデータの視覚化が可能である.しかし課題によってはデータを生成するもとのモデルを対象とし,モデル間の類似性に基づいた分類やマップ生成をしたほうがよい場合もある.このような課題を解決する方法として,筆者はSOMを発展させたモジュラーネットワーク型自己組織化マップ(mnSOM: Modular Network SOM)を提案した.mnSOMは様々なモデルを対象としてマップを生成できるため一般化されたSOMとしての枠組みをもつものといえる.本稿ではSOMの解説も交えながらmnSOMの理論や学習アルゴリズムについて解説をする.

著者関連情報
© 2020 一般社団法人 電子情報通信学会
前の記事 次の記事
feedback
Top