2021 年 14 巻 4 号 p. 287-296
科学技術の成果として社会の隅々まで浸透したシステムにより,我々は過去に見られない豊かな生活を享受している.反面,科学技術の高度化は社会や生活を支えるシステムの複雑化と大規模化を招き,それらの突発的な故障や不具合によって,我々の生活は多大な影響を受ける.毎日のように多くのシステム障害のニュースが報道されており,我々を取り巻く“システム”の信頼性の向上,高信頼なシステムの設計・保全を考えることの重要性がますます高まってきている.システムの信頼度(システムの稼働確率)を求める研究は古くは1960年代から始まっている.本稿では,システムの一部が故障(稼働)するとシステムが故障(稼働)する連続型k-システムに注目し,連続型k-システムの設計・保全を取り巻く研究を概観する.