近年ではICTの普及に伴い,様々な情報システムやクラウドサービスの構築が容易になってきたものの,防災・減災分野に対しては,完全な要件定義が難しく,いまだ研究途上にある.筆者はアクションリサーチの手法で,被災地における支援活動を通してシステムやサービスの設計・開発・実証を進めてきた.また,実証によって得られた実災害のデータを分析し,データサイエンスとしての新たな知見抽出を行ってきた.本稿ではこれまでの活動をふりかえり,ディジタル化やDX化が進む次世代社会における「ディジタル防災」の必要性について言及する.