2022 年 15 巻 3 号 p. 210-219
送受信に複数のアンテナを用いて同一周波数で異なる信号を多重送信するMIMO (Multiple-Input Multiple-Oputput) 伝送が実用化されている.本解説ではその発展形として無線端末が連携することにより等価的なアンテナ数を拡大し通信路容量を向上させる端末連携MIMO受信技術を紹介する.端末間の連携通信には高速かつ低遅延な高周波数帯の伝送技術の活用を想定している.連携通信トラヒックや空間相関と伝送容量の関係を解説した後,京都市郊外で実施したフィールド実験の結果を紹介する.