2022 年 16 巻 2 号 p. 57-65
世界最初のコンピュータとされるENIACの誕生から僅か70年. コンピュータは, 人間の囲碁の世界チャンピオンに勝利するレベルまで到達した. その一方で, コンピュータにはまだまだ人間の脳に大きく水をあけられている点がある. その一つが, エネルギー効率である. 本稿では, エネルギー効率という切り口でコンピュータが辿ってきた道を明らかにし, 現在の課題と取り組みについて述べる. 更に, エネルギー効率を向上させるアプロキシメート・コンピューティングという手法について述べ, 筆者の研究室での研究事例も合わせて紹介する.