電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review
Online ISSN : 1882-0875
ISSN-L : 1882-0875
16 巻, 2 号
選択された号の論文の24件中1~24を表示しています
表紙
目次
ごあいさつ
技術の原点
幹事団提案
  • 小久保 優
    2022 年 16 巻 2 号 p. 51-56
    発行日: 2022/10/01
    公開日: 2022/10/01
    ジャーナル フリー

    筆者のPLLの研究における技術の原点としてPLL帰還ループ内にΣΔ変調器を挿入する方式について記述する. ここでΣΔ変調器を用いたことにより所望の特性と雑音拡散とのバランスが集積化時に重要であり, その開発例として, 携帯電話用PLL, Bluetooth用ツーポイント変調, 及びスプレッドスペクトラムクロック生成回路について説明する. このようにΣΔ変調器を用いた帰還ループでの雑音拡散に関する検討を行うことで, PLLの帰還ループがもつフィルタ特性を活かすことができ, ΣΔ変調器をループ内に挿入しても雑音増加を防ぎつつ, かつ, いろいろな用途の機能をもつPLLを集積化し, 実現することができる.

  • 宇佐美 公良
    2022 年 16 巻 2 号 p. 57-65
    発行日: 2022/10/01
    公開日: 2022/10/01
    ジャーナル フリー

    世界最初のコンピュータとされるENIACの誕生から僅か70年. コンピュータは, 人間の囲碁の世界チャンピオンに勝利するレベルまで到達した. その一方で, コンピュータにはまだまだ人間の脳に大きく水をあけられている点がある. その一つが, エネルギー効率である. 本稿では, エネルギー効率という切り口でコンピュータが辿ってきた道を明らかにし, 現在の課題と取り組みについて述べる. 更に, エネルギー効率を向上させるアプロキシメート・コンピューティングという手法について述べ, 筆者の研究室での研究事例も合わせて紹介する.

  • ―不完全秘匿を用いた安全な符号化法―
    山本 博資
    2022 年 16 巻 2 号 p. 66-75
    発行日: 2022/10/01
    公開日: 2022/10/01
    ジャーナル フリー

    情報理論に基づいた秘密情報の符号化システムとして,シャノン暗号システム,秘密分散通信システム,秘密分散法,安全なネットワーク符号化,盗聴通信路符号化を取り扱う.情報理論におけるセキュリティ符号化問題では,秘密情報の完全秘匿を達成することを目的としている場合が多いが,本稿では,完全秘匿ではなく不完全秘匿を用いた情報理論的に安全な符号化法を紹介する.これは,秘密情報を幾つかの部分情報に分割し,各部分情報に関して個別に完全秘匿を達成することで情報の安全性を保証し,他方,秘密情報全体としては不完全秘匿とすることで,符号化に必要な乱数のビット長や符号語のビット長を減らすことができる符号化法である.その結果,情報理論的に安全で効率のよい符号化が可能となる.

解説論文
NLP研究会提案
  • ―ロバスト安定性からのアプローチ―
    小西 啓治, 杉谷 栄規
    2022 年 16 巻 2 号 p. 76-82
    発行日: 2022/10/01
    公開日: 2022/10/01
    ジャーナル フリー

    結合発振器に発生する「Amplitude Death」と呼ばれる現象は,非線形科学分野で長年にわたり精力的に研究されている.本解説では,結合発振器における「発振器の数」や「ネットワークの構造」が未知となる状況下でも,システム制御分野で知られている「ロバスト安定性/制御」に関する数理的な解析ツールが,Amplitude Deathの発生条件の導出に活用できることを紹介する.具体的には,Amplitude Deathを誘発する代表的な結合様式である「動的結合」と「遅延結合」に焦点を絞り,筆者の成果を中心に解説した.

SIS研究会提案
  • 亀谷 由隆
    2022 年 16 巻 2 号 p. 83-92
    発行日: 2022/10/01
    公開日: 2022/10/01
    ジャーナル フリー

    現在注目される人工知能技術は高い予測性能をもつ機械学習モデルが主体となっており,これらのモデルを健康や財産に関わる分野へ応用する試みも始まっている.しかし,その際の問題の一つがモデルの不透明性であり,このような不透明性を軽減するための一連の技術が近年「説明可能AI (explainable artificial intelligence, XAI)」という研究分野を形成している.本稿ではXAI研究の流れを振り返り,現在行われているXAI研究における概念と手法の分類や整理を行うとともに,XAI研究における将来の課題について述べる.

HWS研究会提案
SIP研究会提案
  • 仲地 孝之, 坂東 幸浩
    2022 年 16 巻 2 号 p. 100-114
    発行日: 2022/10/01
    公開日: 2022/10/01
    ジャーナル フリー

    ビックデータ時代の到来とともに,ネットワーク上を流通するディジタルコンテンツが増加の一途をたどり,エッジ/クラウドコンピューティングでのデータ処理が急速に普及してきている.例えば,データ量を圧縮するための圧縮符号化,データ内の有意な情報を抽出するデータマイニング,データの分類や予測を行うためのモデルを自動的に学習する機械学習などが挙げられる.しかし,サービス提供者の信頼性欠如や事故によるデータの不正利用や流失によって,プライバシーを侵害する問題の発生が危惧されている.このような背景から,プライバシーを保護しつつデータ解析・信号処理を行う手法として,ランダムユニタリ変換に基づく秘匿スパースモデリングが提案されてきた.この秘匿化演算の特徴は大幅な計算量の増加を伴うことなく,1)スパースモデリングのアルゴリズムを変更することなく利用可能,2)秘匿化領域における処理により,秘匿化前の原データに対する処理結果と一致する結果を保証できる点にある.本稿では,ランダムユニタリ変換に基づく秘匿スパースモデリングの基本的な仕組みからときおこし,秘匿化領域におけるデータ処理の有効性をエッジAIへの応用例を通して概観する.

その他
ESSニュース
研究会に行こう!
国際会議報告
受賞者の声
開催案内
論文募集
委員会・編集後記
feedback
Top