LSIの配置設計に応用される位相的パッキング表現法としてシーケンスペア(sequence-pair)は一つのスタンダードな技術になっている.本稿では,シーケンスペアが生まれたときの状況,実用化は進んだのか,現在残された課題は何か,筆者はどのように関わることができたのかについて筆者の経験と意見を述べる.産業界における実用化は道まだ半ばであり,ベンチャー企業による挑戦は続いている.筆者がこの研究に参加できたのは社会人学生だったからこそと思う.本稿がかつての筆者のような「30代半ばで日々充実して仕事している企業エンジニア」のアカデミックリフレッシュの背中を押す手助けになれば幸いである.