2022 年 3 巻 J2 号 p. 406-416
近年,IoT 機器の急速な普及に伴い,我が国では Society5.0が提唱されている.Society5.0の実現の一例として,カメラで撮影された動画像中の人物を人工知能によって認識・追跡し,顧客の動線解析や犯罪捜査の効率化に活用している.これらの技術は様々な分野へ応用できるが,特に,建設分野では生産性向上や安全管理の発展に寄与することが期待できる.そこで,著者らは,建設現場の安全管理に着目し,作業者のヘルメットに付与した模様を対象に深層学習による人物識別の手法を提案している.しかし,実現場での適用可能性を確認できていない.そこで,本研究では,複数のカメラおよび時系列による補正手法を新たに考案し,人物識別手法を改良した.そして,実現場を対象とした実験を実施した結果,複数カメラおよび時系列による補正手法が有効である知見を得た.