2023 年 17 巻 2 号 p. 147-156
光アクセスネットワークでは,様々な高度なアプリケーションの登場による要件の多様化により,従来の専用装置から汎用ハードウェアを使用した構成への変革が進んでいる.SDN (Software-Defined Network) やNFV (Network Function Virtualization) をアクセスシステムに適用することで,多様なアクセスシステムを抽象化し,汎用ハードウェア上のソフトウェアで共通的に制御できる仮想化アクセスプラットホームのSEBA (SDN-Enabled Broadband Access) が一部の海外キャリヤで商用導入されている.更に将来的な姿としては,システムのソフトウェア領域を拡大することで,汎用ハードウェア上のリソースをより低レイヤのアプリケーションとエッジアプリケーションが共有するアーキテクチャも考えられている.本稿では,光アクセスネットワークの仮想化,NFV/SDN技術の標準化動向,OSS (Open Source Software) の開発状況やソフトウェア化領域の拡大のための研究動向に触れた後に,それぞれを実現するための技術の詳細について解説する.