電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review
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R研究会提案
情報伝送路に依存しない列車制御システム
岩本 功貴祗園 昭宏北野 隆康
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2025 年 19 巻 1 号 p. 15-21

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抄録

多くの鉄道の制御に活用されている無線式列車制御システムは,保安制御機能と情報伝送機能を一体化して構築されている.従来型の列車制御システムの情報伝送路には,LCX(漏えい同軸ケーブル)や空間波が用いられるが,これらは鉄道事業者が敷設する自営回線であり,設備の構築及び運用・保守には多くのコストを要する.特に近年では,生産年齢人口の減少に伴い鉄道現場での労働力不足が進行していることから,情報伝送路についても省設備化と省メンテナンス化が求められている.本稿では,汎用装置や公衆通信回線を活用した列車制御システムにより,システムの機能分離や,自営回線の削減を実現するまでの過程を解説する.更に,鉄道の沿線設備に応じた情報伝送路の安定性を考慮できる列車制御システムについて解説する.

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© 2025 一般社団法人 電子情報通信学会
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