電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review
Online ISSN : 1882-0875
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技術の原点
スイッチング理論の原点を尋ねて
―シャノンに先駆けた中嶋章の研究を中心に―
山田 昭彦
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2010 年 3 巻 4 号 p. 4_9-4_17

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抄録

中嶋章は1930年代に独自にブール代数に相当する理論を構築し,スイッチング理論の研究を行ってリレー回路設計に適用した.1935年にド・モルガンの法則を含むリレー回路構成理論を発表し,1936年には榛澤正男と共著で“+”と“×”の記号を用いてスイッチング回路を論理式で表し,この変換及び簡単化を含むスイッチング理論を発表した.Claude E. Shannon が同様の論文を発表したのは1938年である.中嶋の生誕100年にあたる2008年にフィンランドのTampere University of Technology より中嶋の全英文論文を収録した覆刻本が出版された.

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© 2010 一般社団法人 電子情報通信学会
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