抄録
周波数選択性フェージングは移動通信システムの特性を劣化する.この対策として1950 年代からRAKE 受信方式の研究が行われ,実用化されてきた.RAKE 受信方式は広帯域信号を用いることによってマルチパスを分解し,パスダイバーシチにより特性を改善する.RAKE 受信方式はFSK,スペクトル拡散通信などのシステムへの適用が検討され,IEEE802.11 やIMT-2000 などのシステムにおいて実用化されてきた.また最近では,Ultra Wideband システムやマルチキャリヤ変調との組合せも検討されている.本稿ではRAKE 受信方式の原理及びその発展に関して概観する.