電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review
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TL研究会提案
相互行為能力の発達を解き明かす:縦断的会話分析の方法と意義
岡田 悠佑
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2016 年 9 巻 4 号 p. 304-317

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抄録

社会生活の場である相互行為を築く方法を人々がどのように習得していくのかという問いに答えるべく,会話分析を応用した特定の会話参加者の相互行為方法の発達を長期間にわたって調査した縦断的研究が,近年,第二言語学習者を対象としたものを中心に行われている.相互行為能力の発達段階と発達を促すものを解明することで,評価枠組みの作成や教材開発といった教育的発展が期待される.本稿の目的は,こうした相互行為能力の発達を捉える縦断的会話分析の先行研究を再検証し,集中的な縦断的事例分析を元に方法論と意義を解説することである.会話分析の理論と方法,相互行為能力という概念,そして相互行為能力の発達を明らかにする縦断的会話分析の方法の解説に続き,これまでの相互行為能力発達研究を概観する.第二言語での採用面接をデータに縦断的会話分析の方法と意義を披露し,どのような教育実践につなげられるかを議論する.

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© 2016 一般社団法人 電子情報通信学会
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