2016 年 9 巻 4 号 p. 291-303
畳込み符号は,その符号トレリス(符号器から導かれるトレリス)に基づきビタビ復号するのが標準的である.これに対し,エラートレリス(シンドローム形成器から導かれるトレリス)に基づくシンドローム復号がSchalkwijkらにより提案された.本稿では,畳込み符号に関するもう一つの研究の流れである,エラートレリスやそれに基づくシンドローム復号に焦点を当てて解説する.エラートレリスはある種の"偏り"を持つため,これを利用して復号複雑度を低減できるという特徴がある.また,符号トレリスに基づくSSTビタビ復号はシンドローム復号と等価である.