Experimental Animals
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SHRラットにみられた骨肉腫について
飯田 晶敏内海 健二朗石川 隆司上田 芳仲前田 敏宏大西 久美雄辰巳 熙藤原 公策
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1979 年 28 巻 4 号 p. 497-506

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抄録

Spontaneously hypertensiveラット (SHRラット) の繁殖集団で, 1971年から1975年にかけて9, 132例の離乳ラットの中から18例の多発性の骨肉腫を経験した。
1.外見および触診により骨肉腫の発見されたのは72から145日令の間であった。
2.発生部位は最も高頻度にみられたのは顔面骨で, 次いで尾椎, その他前肢, 後肢にもみられた。
3.組織学的に腫瘍は肉腫性の腫瘍組織の中に種々の程度で類骨, ときには軟骨の形成も示すという骨肉腫の特徴を示したが, 転移はどの臓器・組織にもみられなかった。
4.担腫瘍動物の血中アルカリ・フォスファターゼ値は同年令の非担腫瘍SHRラットの2倍以上を示した。
5.腫瘍以外に気管支拡張症と顎下リンパ節の膿瘍形成がほとんどの担腫瘍動物にみられた。

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© 社団法人日本実験動物学会
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