Experimental Animals
Online ISSN : 1881-7122
Print ISSN : 0007-5124
ワタボウシマーモセット (Saguinus oedipus) における致死的Herpesvirus tamarinus感染
森田 迪夫飯田 孝土屋 嘉樹青山 友三
著者情報
ジャーナル フリー

1979 年 28 巻 4 号 p. 537-550

詳細
抄録

1976年8月26日, アメリカ合衆国経由で, 南アメリカから輸入されたワタボウシマーモセット (Saguinus oe-dipus) に致死的経過をみたherpesvirus tamarinus感染がみられた。Herpesvirus tamarinus感染症例において, これまでに報告されている病変のほかに, 消化管の神経叢, 腹腔の交感神経およびその神経節に核内封入体の形成を伴った神経細胞の高度の変性・壊死が認められた。中枢神経系における炎症性・退行性変化も同時に認められた。多形核巨細胞にしばしば認められた多くの塩基好性ないし酸好性核内封入体が各種の臓器および組織にみられ, これらの封入体は電顕レベルにおいて, 異にした像を示していた。病理形態学的所見から, herpesvirus tamarinus感染症はヒトのherpes simplex virus感染症に類似しているようにみえた。
血清学的にherpevirus tamarinusと同定された分離ウイルスに対する各種培養細胞の感受性およびその分離ウイルスの物理化学的性状の所見は, 以前の研究者によって報告されたherpesvirus tamarinusの所見とほぼ一致していた。

著者関連情報
© 社団法人日本実験動物学会
前の記事 次の記事
feedback
Top