1985 年 34 巻 2 号 p. 197-201
国立予防衛生研究所において, 1964年から1982年までにわたって主要な感染病が制御されている25ケ所の生産場からモルモットを購入し, 臨床所見の観察と体重測定によって検疫を行った。19年間の検疫総数は166, 050匹で1, 461匹 (0.88%) の異常動物が摘発された。異常動物の発生状態は1964年から1971年までと1972年から1982年の間で著しい違いがみられた。すなわち, 1971年までは0.53~0.81%の発生で4月と10月に多発していたが, 1972年以後はほぼ2倍に増加し, 11月から4月までの間に持続して発生した。異常動物の症状は1971年までは下痢と死亡が主で, これらの多くは入荷後1週間内に発現したが, 1972年以降は発育不良のものが多く, 入荷後1~3週にかけて発現した。したがって, 前者における異常動物は殆んどが体重減少によって発見されたが, 後者では体重の増加不良が主な異常所見であった。