Experimental Animals
Online ISSN : 1881-7122
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スンクス動揺病における種々の動揺刺激の比較及び適応獲得について
梶 隆英齋藤 洋上野 新也松木 則夫
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1990 年 39 巻 1 号 p. 75-79

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抄録
スンクスにおいて, 動揺病及びその適応を惹起する最適の方法を検討するために, 種々の動揺刺激の効果を比較した。水平面での3種類の異なる方向の刺激, 即ち前後・左右の振盪, 及び回転運動は, 同程度の嘔吐反応を誘発した。しかし, 鉛直方向の振盪は動揺病誘発効果が遥かに弱かった。水平面での弱い振盪または強い振盪 (1日15分) を14日間続けるというトレーニングを行い, 標準条件の動揺刺激に対する嘔吐反応をトレーニングの前後で比較した。連日の強い条件の加速刺激により, 動揺病感受性は強く抑えられた。また, それ自体は嘔吐を惹起しない弱い条件の加速刺激も, 標準条件の動揺刺激に対する嘔吐反応を著明に減弱した.これらの結果より, 以下の示唆が得られた。1) スンクス動揺病の嘔吐反応性は, 水平面上の方向であれば振盪様式に依存しない。2) スンクスは鉛直方向の直線加速度に対して比較的抵抗力がある。3) 適応のメカニズムは, 嘔吐反応経路の最終の末梢段階で発現しているのではない。
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© 社団法人日本実験動物学会
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