抄録
中国, 雲南省産のアカゲザル (M.mulatta) 10頭につきHepatocystis sp.の感染状況の調査を実施した。原虫の赤血球内発育体については血液塗抹標本で, またメロシストについては肝臓の組織学的検索を行なった。検査の結果, 10頭中6頭にHepatocystis sp.が確認された。生殖母体の成熟には約6日を要した。完全に成熟した雌性生殖母体の直径は約8μmであった。細胞質は青紫色で, 核は染まりにくい空胞のような部分にクロマチンが点状に存在していた。雄性生殖母体は, ビスケット色を呈する細胞質とピンク色を呈する核を持っていた。肝臓の組織標本では, メロシストの直径は約3mmで表面は滑らかであった。メロシストはいかなる指状形をも呈さなかった。これらの性状は, Hepatocys tistaiwanensisのものに類似していた。しかしながら, H.taiwanensisの種名の確定には, さらに検討を重ねなければならない。