2020 年 76 巻 2 号 p. I_757-I_762
六角川流域における流域治水のために,ため池による内水対策が効果的であると考え,その検討を行った.分布型降雨流出氾濫モデルを六角川流域に適用し,令和元年8月の豪雨を対象に,ため池の洪水緩和機能を評価した.その結果,現況のため池により氾濫水量が15.0万m3減少することがわかった.また,同一降雨を対象にため池の事前放流をした場合を考え,ため池の洪水緩和機能を評価し,氾濫水量が38.3万m3減少することがわかった.さらに,ため池の事前放流により,多くの家屋で浸水深を低減できることが明らかとなった.以上のことから,ため池を用いた内水対策は効果があると結論した.