Experimental Animals
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アフリカツメガエルの甲状腺, 上皮小体, 鰓後体の発生に関する免疫組織化学的ならびに形態計測学的研究
本田 城寿小川 和重谷口 和之
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1993 年 42 巻 1 号 p. 23-32

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抄録

アフリカツメガエルの孵化直後から変態完了までの幼生について, 甲状腺, 上皮小体, 鰓後体の3つの鰓原器の発生と内分泌細胞の出現時期を免疫組織化学的に明らかにするとともに, これらの各内分泌器官の体積の変化を形態計測学的に検討した。甲状腺は, stage 43の幼生で初めて, 舌骨稜に沿う甲状腺原基として認められた。甲状腺のサイログロブリン分泌は, stage 47/48で初めて甲状腺濾胞のコロイドに認められた。変態における甲状腺の体積および甲状腺濾胞上皮の高さは, ともにstage 61で最高になり, 以後, 変態完了に向けて減少した。上皮小体の原基はstage 43で初めて第三鰓嚢, 第四鰓嚢の壁の上皮性の肥厚として認められた。上皮小体の体積は, 発生の進行につれて変態完了まで徐々に増加した。鰓後体はstage 45で初めて, 咽頭付近の気管の両側に一対の上皮性の陥凹として認められた。また, stage 53で完全な濾胞構造をとり, 形態計測ではstage 61で体積が最大となり, 以後, 変態完了に向けて退縮した。鰓後体でのカルシトニン (CT) 陽性細胞は, stage 47/48で初めて出現し, stage 59で免疫反応は最も強くなり, その後, 変態完了に向けて, CT陽性細胞は急激に減少した。

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© 社団法人日本実験動物学会
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