Experimental Animals
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ハタネズミ (Microtus arvalis) の心拍数および自発運動の日内変動
石井 圭司桑原 正貴局 博一菅野 茂
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1993 年 42 巻 1 号 p. 33-39

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抄録

ハタネズミの心拍数および自発運動の日内変動を無麻酔, 無拘束下で記録し, マウスのそれらと比較した。ハタネズミの24時間の平均心拍数はマウスよりも少ない傾向にあった。ハタネズミの平均心拍数は明期および暗期の間で顕著な差異が認められなかった。また大部分の個体で自発運動は暗期のみならず明期にも活発であることが観察された。それに対して, マウスでは全例で暗期の平均心拍数が明期よりも有意に多く, 自発運動も明瞭な夜行性を示した。ハタネズミの心拍数および自発運動量の変動を詳細に検討すると, 心拍数では95~210分周期, 自発運動では160~210分周期のウルトラディアンリズムが認められた。ウルトラディアンリズムによる心拍数変動の大きさは明期と暗期の間の差よりも顕著であった。一方, マウスでは85分周期の心拍数リズムが3例中1例に認められたのみであった。またハタネズミでは心拍数変動の増減のピークが活動期に一致する個体と休息期に一致する個体の2種類のパターンが区別された。それに対してマウスでは全例で心拍数の増加は活動期に一致した。以上の成績から, ハタネズミの心拍数変動は自発運動同様にウルトラディアンリズムを有することが確認された。

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