1993 年 42 巻 1 号 p. 41-50
SMXAリコンビナント近交系マウス (28系統群) は, 体重をはじめ肺腫瘍発生率など生物学的特性をそれぞれ異にするSM/J系とA/J系マウスのF2から育成されたものである。本研究は, これらの下顎骨計測値に主成分分析と判別分析を適用し, 各系統下顎骨の形態学的なプロファイルを明らかにするとともに各系統の同定を行ったものである。主成分分析の結果, 各系統は特有の大きさと形の下顎骨を有しているものの15群に大別されることがわかった。判別分析の結果, 誤判別率は雄で6.49% (20頭/308頭) , 雌で8.06% (27/335) であったが, そのうち, 雄の13頭, 雌の17頭は下顎骨のプロファイルが比較的類似している系統間でみられたものであった。このように, 新たに育成されたSMXAリコンビナント系統は各系統内で遺伝的に均一であるとみなされた。