福岡県農林業総合試験場研究報告
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カキのジョイントV字樹形の「早秋」および「富有」への適用
朝隈 英昭 白石 美樹夫竹村 智佳
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2024 年 10 巻 p. 7-12

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抄録
カキ「太秋」で早期成園化や作業時間の削減が図れるジョイントV字樹形について,「早秋」および「富有」における適用性を検討した。主枝の高さ60cm,側枝仰角60度,株間1m,列間4mとしたジョイントV字樹形は早期に樹冠拡大が可能で,定植後3年目から6年目までの4年間の10a当たり累積収量は,「早秋」で8.5t,「富有」で6.0tであり,それぞれ開心自然形の8.3倍および6.0倍となった。また,ジョイントV字樹形における摘蕾,摘果,収穫,せん定の10a当たり合計作業時間は,開心自然形の「早秋」および「富有」に対して,それぞれ49.0%と30.5%に削減できた。以上の結果から,ジョイントV字樹形は早期落果が問題となる「早秋」および本県で最も栽培面積の大きい「富有」においても適用可能で,早期成園化や省力・軽労化が実現できる栽培方法であることが明らかとなった。
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