福岡県農林業総合試験場研究報告
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選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 坂井 妙子, 菊原 賢次
    2025 年11 巻 p. 1-7
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/04/14
    研究報告書・技術報告書 フリー
    福岡県育成ナシ品種「玉水」における主要病害のナシ黒星病およびナシ炭疽病に対する感受性を調査した。ナシ黒星病 に対する葉における感受性は,若い葉では「幸水」,「豊水」と同様に高いが,葉齢が進んだ展開葉では「幸水」,「豊水」より低くなる傾向があった。果実における感受性は,開花期~幼果期では「幸水」,「豊水」と同等,果実肥大期では「幸水」より低かった。また,ナシ炭疽病に対する感受性は「豊水」よりやや低かった。従って,本品種の病害防除においては「幸水」,「豊水」に準じた慣行の防除体系が適用可能である。
  • 松本 涼, 宮原 克典, 猪狩 芽以, 田村 萌
    2025 年11 巻 p. 8-15
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/04/14
    研究報告書・技術報告書 フリー
    ダイズ作付ほ場における帰化アサガオ類のうちホシアサガオおよびマメアサガオに対する除草剤を用いた防除体系の 除草効果を検証した。全面処理可能な茎葉処理除草剤の両草種に対する除草効果は,イマザモックスアンモニウム塩液剤およびベンタゾン液剤ではアサガオ出芽揃い期から2L期まで,フルチアセットメチル乳剤では出芽揃い期から4L期までの処理で両草種に効果的であった。ホシアサガオおよびマメアサガオが蔓延したダイズほ場において,播種法とトリフルラリン乳剤土壌混和処理の両草種に対する防除効果は,部分浅耕一工程播種と標準耕二工程播種の播種法間で差はみられなかったものの,トリフルラリン乳剤の土壌混和処理を組み合わせた防除体系では土壌混和処理を実施しなかった体系に比べて両草種の出芽本数や残草量を1/2以下に抑えることができた。さらに,トリフルラリン乳剤の土壌混和処理,土壌処理除草剤および茎葉処理除草剤2回の防除体系を行うことで土壌処理除草剤のみの対照区に比べて,ホ シアサガオおよびマメアサガオの残草量を1~16%まで抑制することができた。
  • 西山 雪乃, 柴戸 靖志, 徳永 恵美, 林田 崇宏, 森田 茂樹
    2025 年11 巻 p. 16-21
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/04/14
    研究報告書・技術報告書 フリー
    トマトの促成栽培における全量基肥施肥が収量および品質に及ぼす影響について2021年度および2022年度の2か年 間検討した。両年とも全量基肥施肥栽培の土壌中の硝酸態窒素量は栽培期間中,慣行施肥と比べ低い水準で推移した。収量,商品果率および1果重に有意な差が認められず,全量基肥施肥栽培は慣行施肥栽培と同等の収量および品質の果実を得ることができた。同時に,全量基肥施肥栽培では一作当たり8回の追肥作業が不要となり,32時間/10aが削減でき,肥料代も安価であることから,生産費を減じることができ普及性は高いと考えられる。
  • 藤原 菜々子, 古澤 典子, 瀨戸山 安由美, 松下 竜一
    2025 年11 巻 p. 22-29
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/04/14
    研究報告書・技術報告書 フリー
    ジョイントV字トレリス樹形(以下、V字ジョイント)がニホンナシ新品種「玉水」の定植後5年目までの樹体生育,果実生産性および省力・軽労効果に及ぼす影響について検討した。V字ジョイント区では,慣行の二本主枝区と比べて1m2当たり新梢数が多く,同新梢長も大きく早期に側枝が確保された。また,V字ジョイント区の1m2当たり花芽数は二本主枝区よりも多く,10a当たり換算収量は,初結実の定植後3年目で1.0t,定植後3~5年目の累積収量は4.4tで,二本主枝区の6.2倍となった。ナシ栽培で最も多くの時間を要するせん定・誘引作業の収量1t/10a当たり作業時間は,V字ジョイント区で二本主枝区の29%であり,新梢管理作業は54%と短くなった。さらに,RULA法による作業姿勢の評価を行った結果,身体的負荷の大きいスコア5以上の割合はV字ジョイント区で低く,軽労化が図られた。以上の結果から,「玉水」における V 字ジョイントは慣行の二本主枝と比べ早期多収,省力・軽労効果が高い栽培方法であることが明らかとなった。
  • 鶴崎 幸, 桑野 泰光, 楢崎 康二
    2025 年11 巻 p. 30-37
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/04/14
    研究報告書・技術報告書 フリー
    主伐予定地などで林分材積を推定する場合,一般に標準地法により収穫調査が行われるが,調査者の経験や主観によっては正確度が低下する。収穫調査にUAV-SfM法から作成したDSMとALS由来のDTMを利用することにより,対象地全体の樹高や立木材積をいつでも簡易かつ正確に計測できる可能性がある。しかし,UAV-SfM法による森林計測では,地上計測による樹高計測値との間に数メートル単位の誤差が含まれることから,誤差を許容しつつ収穫調査に活用することが望ましい。そこで本研究では,標準地法による林分材積推定の精度向上を目的として,標準地調査結果を面積拡張して全体の材積を推定する際,対象地全域の高さ情報やその空間分布が把握できるUAV-SfM法により得た樹高または材積値により補正する手法を考案し,補正前後を比較検証した。ALSから算出した林分材積を検証の真値と定義し,ALSに基づく標準地調査結果について補正なし,UAV樹高補正,UAV材積補正別に各10万回試行した結果,UAV材積補正が標準地法による林分材積推定の精度向上に寄与した。
  • 鶴崎 幸, 楢崎 康二, 大川 雅史
    2025 年11 巻 p. 38-42
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/04/14
    研究報告書・技術報告書 フリー
    本研究は,空中写真からピクセルベースの画像分類により,竹林を抽出することを目的とした。対象地は,福岡県八女 市立花町地区内とし,2016年6月と2021年10月の2時期に撮影された空中写真を解析に供した。機械学習のひとつで あるランダムフォレスト法により対象とする地域を「竹林」「森林」「その他」に分類するモデルを作成し,精度を評価した結果,全体精度は2016年6月で96%,2021年10月で91%であった。特徴量の重要度から,竹林を抽出するためには,オルソ化した空中写真に51×51ピクセルの平均化フィルタ処理を施した特徴量のうち,可視青色光と赤色光が重要であることが明らかとなった。2016 年 6 月の空中写真は,竹の葉替り期に撮影した写真であったことが精度の高さに影響したと考えられた。2021年10月は,「竹林」「森林」間の誤分類が多かった。以上より,竹林の抽出には葉替り期の空中写真を利用することが適切であると結論づけた。福岡県では,5年毎に同一地域の空中写真撮影を実施しているため,これらの写真から長期にわたる竹林の分布の変化を把握できる可能性がある。
  • 上田 景子, 森 康浩, 江口 雅音, 梅田 剛利, 谷崎 ゆふ, 中田 富美, 池田 華優, 友清 昇太, 高山 夏音, 浅岡 壮平, 大 ...
    2025 年11 巻 p. 43-52
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/04/14
    研究報告書・技術報告書 フリー
    ブナシメジ培養にかかる夏季の空調コストを低減するため,従来よりも高い温度で培養可能な高温耐性を有する良食味品種の育成に取り組んだ。第1ステージでは,「博多ぶなしめじ」の第七代品種「大木Oh-494」と6つの保有菌株との交配家系1973菌株からHm379-132を選抜した。第2ステージでは,Hm379-132と良食味品種「大木IB87」との交配家系から高温培養可能で,かつ「大木Oh-494」に比べて食味検定の苦味評点が有意に少なく,総合評価が有意に大きい「福おおき173号」を選抜した。本品種の収量は,慣行の培養日数70 日において「大木Oh-494」と比較すると,慣行の培養温度20℃では低かったものの25℃では同等,30℃で有意に多かった。菌掻きから収穫までの生育日数は,「大木Oh-494」と比べ,20℃および25℃培養において有意に短かった。さらに,商品性を損ねる菌傘のイボの発生度は「大木Oh-494」と比べ,極めて低かった。菌傘中央部の色は,L*値が「大木Oh-494」に比べて有意に大きく,明るい灰茶色であった。菌柄中央部の色は,「大木Oh-494」に比べて白色度が有意に大きく,くすみの少ない白であった。子実体の遊離アミノ酸について,ヒスチジンをはじめとする苦味アミノ酸8種の含量はすべて「大木Oh-494」を下回り,食味検定の結果と符合した。本品種は,株式会社大木きのこ種菌研究所を共同育成者として品種登録され,2023年9月から「博多ぶなしめじ」の第八代品種として市販されている。
  • 姫野 修一
    2025 年11 巻 p. 53-57
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/04/14
    研究報告書・技術報告書 フリー
    イチジク「とよみつひめ」の施設栽培において強樹勢樹で高温期に発生する低糖度の成熟異常果は,収穫開始7日前 から収穫終了までの土壌水分をpF2.2以下に保ち,結果枝2~3節間の基部径を20mm未満に保ち,基部径が20mmを越 える結果枝に対しては,結果枝基部を環状剥皮することにより発生が抑制され,果実糖度を無処理より高く維持できる。 また,軒側からの屋根1/2 開放は,夏季日中晴天時の施設内気温を外気温並みに下げることができ,成熟異常果発生を低減できる。
  • 安永 智希, 白石 和弥, 村井 かほり
    2025 年11 巻 p. 58-64
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/04/14
    研究報告書・技術報告書 フリー
    マトリカリア,ニゲラおよびシレネの1年生草花の切り花について,冬季のエチレン感受性評価と複数の品質保持剤の 検討を行った。エチレン感受性評価は,エチレン処理濃度を1μL・L−1,10μL・L−1,期間を1日,3日として実施した。マトリカリア「シングルベグモ」は,濃度と時間に関わらずエチレンによる日持ちへの影響は認められなかった。ニゲラ「ミスジーキル」は,1日処理ではエチレンの影響は認められなかったが,3日処理では濃度に関わらず萼片が脱離し日持ちが短くなった。シレネ「サクラコマチ」は,1μL・L−1の1日処理で花弁の萎凋が引き起こされ,日持ちが短くなった。品質保持剤として,前処理にチオ硫酸銀錯体(STS)剤と,糖質,抗菌剤および無機イオンを含む市販の品質保持剤である美咲ファーム(MF),後処理にグルコース1%,ケーソンCG0.5mL・L−1および硫酸アルミニウム50mg・L−1の混合液(GLA)の組み合わせ処理を行った。MFは3品目すべてで日持ち延長効果は認められなかった。マトリカリア「シングルベグモ」は,STS剤の日持ち延長効果は認められなかったが,GLAを使用すると,日持ちが長くなった。ニゲラ「ミスジーキル」は,濃度0.2mMのSTS剤を使用すると日持ちが長くなったが,GLAによる日持ち延長効果は認められなかった。シレネ「サクラコマチ」は,濃度0.1mM以上のSTS剤処理によって葉に薬害が発生したが,0.05mM・6時間処理では薬害がなく,日持ち延長効果が認められた。また,後処理剤にGLAを使用することがさらなる日持ち延長に効果的であると考えられた。
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