福岡県農林業総合試験場研究報告
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収穫期の違いと環状はく皮処理がキウイフルーツ「甘うぃ」の果実品質に及ぼす影響
瀨戸山 安由美 古澤 典子藤島 宏之石坂 晃
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2024 年 10 巻 p. 13-18

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抄録

キウイフルーツ「甘うぃ」において,収穫期と環状はく皮処理が果実品質に及ぼす影響を調査した。10月14日,21日,28日および11月4日の4回に分けて収穫調査を行ったところ,調査した5園地における収穫時糖度は,10月28日から11月4日に9度を上回り,追熟後糖度も収穫期を遅らせるほど上昇する傾向がみられた。追熟後果肉色h値は収穫期を遅らせると小さくなる傾向にあり,10月28日には調査園地すべてでh値が100を下回り,果肉色が緑色から黄色に向上した。満開日から収穫日までの棚下の積算日平均気温と追熟後果肉色は負の相関関係にあり,積算日平均気温が約3,800℃に達すると果肉色h値が100となった。また,9月上旬に主枝または側枝基部に1cm幅で環状はく皮処理を行ったところ,無処理区と比べて追熟後の糖度が向上し果肉色は黄化する傾向がみられた。以上のことから,「甘うぃ」の果実品質向上には,10月第6半旬以降の収穫と環状はく皮処理が有効であることが示唆された。

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