福岡県農林業総合試験場研究報告
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マトリカリア,ニゲラおよびシレネの切り花におけるエチレン感受性評価および品質保持剤による日持ち性の向上
安永 智希 白石 和弥村井 かほり
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2025 年 11 巻 p. 58-64

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抄録
マトリカリア,ニゲラおよびシレネの1年生草花の切り花について,冬季のエチレン感受性評価と複数の品質保持剤の 検討を行った。エチレン感受性評価は,エチレン処理濃度を1μL・L−1,10μL・L−1,期間を1日,3日として実施した。マトリカリア「シングルベグモ」は,濃度と時間に関わらずエチレンによる日持ちへの影響は認められなかった。ニゲラ「ミスジーキル」は,1日処理ではエチレンの影響は認められなかったが,3日処理では濃度に関わらず萼片が脱離し日持ちが短くなった。シレネ「サクラコマチ」は,1μL・L−1の1日処理で花弁の萎凋が引き起こされ,日持ちが短くなった。品質保持剤として,前処理にチオ硫酸銀錯体(STS)剤と,糖質,抗菌剤および無機イオンを含む市販の品質保持剤である美咲ファーム(MF),後処理にグルコース1%,ケーソンCG0.5mL・L−1および硫酸アルミニウム50mg・L−1の混合液(GLA)の組み合わせ処理を行った。MFは3品目すべてで日持ち延長効果は認められなかった。マトリカリア「シングルベグモ」は,STS剤の日持ち延長効果は認められなかったが,GLAを使用すると,日持ちが長くなった。ニゲラ「ミスジーキル」は,濃度0.2mMのSTS剤を使用すると日持ちが長くなったが,GLAによる日持ち延長効果は認められなかった。シレネ「サクラコマチ」は,濃度0.1mM以上のSTS剤処理によって葉に薬害が発生したが,0.05mM・6時間処理では薬害がなく,日持ち延長効果が認められた。また,後処理剤にGLAを使用することがさらなる日持ち延長に効果的であると考えられた。
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