ファルマシア
Online ISSN : 2189-7026
Print ISSN : 0014-8601
ISSN-L : 0014-8601
トピックス
新規臭素系難燃剤の内分泌かく乱化学物質としての性ホルモンへの影響
浦丸 直人
著者情報
ジャーナル フリー

2014 年 50 巻 6 号 p. 574

詳細
抄録

臭素系難燃剤は,プラスチック,ゴム,木材,繊維等の高分子有機材料の火災による人的・経済的損失を防止するため,世界的に広く使用されている.特に,代表的な臭素系難燃剤の1つであるポリ臭化ジフェニルエーテル(PBDEs)は,ポリ塩化ビフェニル(PCBs)と類似の化学構造と物性を有し,難分解性で生物濃縮され様々な生理作用を有することから,これらの生態系や人体への汚染が懸念された.このため,PBDEsは2009年のストックホルム条約における新規残留性有機汚染物質に指定され,日本を含め世界各国で,デカブロモジフェニルエーテルを除き製造・使用が禁止されている.
なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
1) Covaci A. et al., Environ. Int., 37, 532-556 (2011).
2) Ma Y. et al., Environ. Sci. Technol., 46, 204-208 (2012).
3) Gentes M. L. et al., Environ. Sci. Technol., 46, 9735-9744 (2012).
4) Saunders D. M. et al., Toxicol. Lett., 223, 252-259 (2013).
5) Mankidy R. et al., Toxicol. Lett., 224, 141-146 (2014).

著者関連情報
© 2014 The Pharmaceutical Society of Japan
前の記事 次の記事
feedback
Top