ファルマシア
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大きな可能性を秘めた分離手法:超臨界流体クロマトグラフィー
青山 千顕
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2014 年 50 巻 8 号 p. 814

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抄録
超臨界流体クロマトグラフィー(supercritical fluid chromatography:SFC)とは,移動相として液体や気体の代わりに超臨界状態の流体を用いるクロマトグラフィーである.一般的に使用されているSFCの移動相としては,臨界点が比較的温和な条件(31℃,7.3MPa)である二酸化炭素が挙げられ,拡散性が高い,粘性が低い,液体のような溶解力を持つ,といったクロマトグラフィーの移動相として優れた性質を持っている.SFCで実際に分析を行う際には,移動相にメタノールなどの有機溶媒をモディファイヤーとして添加する.このモディファイヤーの濃度を変えると溶出力が変わり,保持の強さを調節することができる.共通点が比較的多い液体クロマトグラフィー(liquid chromatography:LC)と比べると,SFCはカラムでの圧力損失が小さいので流量を上げることができ,高速分析に適しているとされている.
なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
1) Khater S. et al., J. Chromatogr. A., 1319, 148-159 (2013).
2) Ishibashi M. et al., J. Chromatogr. A., 1266, 143-148 (2012).
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© 2014 The Pharmaceutical Society of Japan
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