ファルマシア
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妊娠期・授乳期にビスフェノールAを曝露した仔は成長後,肥満になりやすい?
青木 明
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2015 年 51 巻 2 号 p. 162

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抄録

肥満とは,身体に脂肪が過剰に蓄積した状態であり,2型糖尿病や心血管疾患などの病気を誘引することが知られている.近年,肥満は世界的規模で増加の一途をたどっており,その主な要因はエネルギー過多な食事と運動不足であり,また遺伝的背景も関与している.しかし,そのような要因だけでは現状の世界的な肥満の流行を説明付けるには不十分であるとの指摘もあり,その要因の1つとして化学物質曝露による影響が考えられている.実際,トリブチルスズやジエチルスチルベストロールといった化学物質は,直接肥満リスクを増加させる“Obesogen”となり得ることが知られている.
なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
1) McAllister E. J. et al., Crit. Rev. Food Sci. Nutr., 49, 868-913 (2009).
2) van Esterik J. C. et al., Toxicology, 321, 40-52 (2014).
3) Tyl R. W. et al., Toxicol. Sci., 104, 362-384 (2008).

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© 2015 The Pharmaceutical Society of Japan
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