ファルマシア
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新たなる大学連携への挑戦
PhDとMBAのダブルディグリー取得制度の設立
原 英彰
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2015 年 51 巻 4 号 p. 329-331

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抄録

日本の産業界では,近年グローバル化が急激に進んできている.製薬業界においてもその潮流は凄まじい勢いで押し寄せており,日本国内の外資系と内資系製薬企業の割合や売上げ比率を見ても,昨今の外資系企業の存在感は徐々に膨らんできている.さらに,人材面においても主要なポストに外国人を招聘する機会が内資系企業で徐々に増えてきている.このことは製薬企業の舵取りに重要な役割を担う上層部の人材として,グローバルな視点で海外と伍して戦える科学的解析力や経営管理能力の両方を兼ね備えた人材が求められているという証でもある.実際,製薬企業,特に外資系製薬企業の中には,博士号(PhD)と経営管理学修士号(Master of Business Administration:MBA)の両方を取得している人材が増えてきている.
さて今回,岐阜薬科大学(岐阜市)と中京大学(名古屋市)は,上記の社会情勢に鑑み将来の製薬基幹産業の中枢で活躍できるグローバル人材の輩出を目的に,薬学(薬学または薬科学)博士号とMBAの両学位を取得する有能な学生の育成に他大学に先駆けて着手するため,両学位を取得できる連携協定を締結した.この共同プログラムにより,重要な基幹産業であるライフサイエンスの中の医療ならびに医薬品に関わる研究開発,生産・流通,販売,調剤,供給,経営,その他薬事衛生などの分野をリードできる多様なグローバル人材を育成することを推進していきたいと考えている.

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© 2015 The Pharmaceutical Society of Japan
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