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化合物合成の終盤における官能基変換
津﨑 康則
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2015 年 51 巻 4 号 p. 357

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抄録

近年,医薬研究において,合成中盤以降で官能基を導入する“late-stage functionalization”という概念が注目を集めている.例えば,化合物合成の終盤で炭素―水素結合を切断し様々な官能基の導入が可能になれば,「活性のある構造」を保持したまま新規な誘導体合成が簡便に行えるため,探索合成段階の効率化につながると考えられる.またこの手法を用いることで,有望化合物のスケールアップ合成の際にも幅広く適用可能な共通中間体を利用できることから,納期短縮に寄与する.しかし,医薬品の候補となる化合物は通常複雑な構造を有しており,現状ではこの目的に使用可能な反応は限られている.
なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
1) Hartwig J. F. et al., Science, 342, 956-960 (2013).
2) Hartwig J. F. et al., J. Am. Chem. Soc., 136, 10139-10147 (2014).

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© 2015 The Pharmaceutical Society of Japan
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