抄録
特集:医療安全への取り組み それぞれの立場から
特集にあたって:医療界において,「安全」が認識され始めたのは1990年後半からであり,それ以後,様々な医療事故が報道されてきた.その都度,国も様々な対策を講じてきたものの,現在でも医療事故が紙面を賑わすことが少なくない.医療事故が起こると「2人の被害者がでる」と言われている.1人は言うまでもなく,医療事故を受けた被害者(患者)であり,もう1人は医療事故を起こしてしまった加害者(医療従事者)である.医療事故を起こしてしまったことにより,マスコミや他団体などから精神的な圧力を受け,その後の医療従事者としての職務を全うできなくなった方も少なくない.そのようなことを少しでもなくすために,個々の医療従事者や病院単位だけでなく,薬学会全体で薬剤による医療事故について包括的に考える必要があると考え,本企画を立案した.本特集が,少しでも医療事故の防止に役立っていただければ幸いである.
表紙の説明:右上:PDCAサイクルとはplan(計画),do(実行),check(評価),action(改善)という一連の業務改善の流れで,生産/品質管理等の業務を円滑に進めるために使われている手法であるが,医療安全対策もこの手法に従って行う必要がある.左下:PMDAでは,カリウム製剤の投与方法に関し注意喚起を行うことを目的として,PMDA医療安全情報「カリウム製剤の誤投与について」を作成した.その他様々な安全情報を発出し,医療事故防止のための対策を講じている.