抄録
1989年,C型肝炎ウイルス(hepatitis C virus:HCV)が病原体として発見され,我が国では1992年にインターフェロン(interferon:IFN)単独療法が保険適応となり,それまでの肝庇護療法とは異なる,HCVを排除することを目的とする抗ウイルス療法が始まった.
その効果についてはあまり満足できるものではなかった.その後抗ウイルス療法は進歩し続け,2011年に直接HCVに作用する画期的な経口型抗ウイルス薬DAAs(Direct-acting antivirals)の登場とその後の進歩により,C型肝炎は治る病気になった.しかしウイルス学的著効(sustained virological response:SVR),すなわちHCVの駆除ができたとしても,肝疾患の治癒とイコールではない.肝がんのリスクは軽減されたが,ゼロではないという認識を絶えず念頭に持っていなければならない.そのような認識を前提として,C型肝炎における治療の変遷を述べていきたい.