抄録
症例は71歳,女性.11年前に胃癌に対し幽門側胃切除術およびB-I再建術を受けていた.6日前より腹痛・嘔吐を認め当院受診,腸閉塞の診断にて入院となった.腹部CT検査・上部消化管内視鏡検査にて胃石による腸閉塞と診断,内視鏡的破砕とコーラを用いた溶解療法を行った.治療5日目の腹部CT検査にて,結石の回腸への落下嵌頓を認めイレウス管を用いた溶解療法を継続したが,効果不十分と判断し治療開始10日目に単孔式腹腔鏡下に胃石摘出術を行った.
本邦での胃石の約70%は柿胃石であり,胃切除後などの胃排出遅延をきたす患者背景も発生の因子となる.内視鏡的破砕や溶解療法,外科治療が行われるが,治療中に落下をきたし穿孔により緊急手術となることや,複数の結石の存在で再手術となった報告もあり,各治療法を十分に理解し選択することが重要と考える.