ファルマシア
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近赤外およびラマン分光法による製剤溶解過程のリアルタイムモニタリング
森山 圭
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2016 年 52 巻 6 号 p. 560

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抄録
製剤分析において,近赤外分光法やラマン分光法を応用した分光イメージング法は極めて有用なツールであり,近年ハードウエアの進化に伴い,その応用範囲は拡大の一途にある.従来は,製剤内部の医薬品成分分布状態の可視化などの静的イメージングが分光イメージングの主流であったが,最近では,測定および解析の高速化により,状態の経時変化をイメージングで追跡する動的イメージングも可能となっている.Wrayらは,モデル製剤の溶解過程を近赤外イメージングとラマンマッピングを併用しながらリアルタイムでモニタリングし,経時的に溶解現象を解析している.今後の製剤分析分野では,このような動的イメージング解析に基づいた溶解過程の研究が広く展開されるものと期待される.本稿は,溶解過程で何が起きているかモニタリングしたWrayらの文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
1) Gendrin C. et al., J. Pharm. Biomed. Anal., 48, 533-553 (2008).
2) Gerich A. et al., “Raman, Infrared and Near Infrared Chemical Imaging”, Šašic S., Ozaki Y. (Eds.), John Wiley&Sons, Hoboken, 2010, pp.205-226.
3) Wray P. S. et al., Int. J. Pharm., 493, 198-207 (2015).
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© 2016 The Pharmaceutical Society of Japan
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