亜麻仁油はアマ科植物であるアマ(Linum usitatissimum)の種子から搾油・精製される油であり,ω-3脂肪酸の1つであるα-リノレン酸(ALA)を豊富に含むことが知られている.このALAは体内でエイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)に代謝されるが,これらは抗アレルギー効果や抗炎症効果を持つことが明らかとなってきている.しかしながら,これらω-3脂肪酸代謝物の食物アレルギーにおける役割についてはあまり解析が進んでいない.今回,Kunisawaらは亜麻仁油の摂取で増加するCYP経路依存的EPA代謝物の17,18-エポキシエイコサテトラエン酸(17,18-EpETE)を食物アレルギー抑制物質として同定したので紹介する.
なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
1) Buckley C. D. et al., Immunity, 40, 315-327 (2014).
2) Kunisawa J. et al., Sci. Rep., 5, 9750 (2015).