ファルマシア
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52 巻, 6 号
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目次
  • 2016 年 52 巻 6 号 p. 492-493
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/06/01
    ジャーナル フリー
    ミニ特集にあたって:平成27年4月より新たに「機能性表示食品」制度が開始された.生体の生理機能を調整する機能を表示した食品の選択肢を増やし,消費者が正しい情報を得た上で選択できるようにすることがねらいである.また,栄養機能食品は対象成分が限定されていること,特定保健用食品は安全性や有効性の臨床試験が必須であり,許可手続きに時間がかかるなど,先行する機能性表示が可能な食品における課題の解決も意図されている.特集では,制度の概要と企業の対応,臨床薬理学的視点からみた食品の機能性,科学的根拠の具体例,臨床試験の実際について執筆いただいた.販売や届出を計画する会員の皆様が,現状を理解する一助となれば幸いである.
    表紙の説明:薬用酒やドリンク剤などに配合される生薬「淫羊藿」の基原植物は,ホザキイカリソウ,キバナイカリソウ,イカリソウ,またはトキワイカリソウの地上部である.現在,流通品の大部分は中国産のホザキイカリソウであるが,淡赤紫~白色の花を咲かせるイカリソウや淡黄色のキバナイカリソウ,冬でも葉が枯れて落ちないトキワイカリソウは日本にも自生する.名前の由来は花弁の形(錨草)のほか,薬効からとも言われているが,梅の花の形に似たバイカイカリソウも自生している.深山の林間で風に揺れるイカリソウは,春から初夏のハイキングの楽しみである.
グラビア
  • 小曽戸 洋
    2016 年 52 巻 6 号 p. 487-489
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/06/01
    ジャーナル フリー
    中国に由来する伝統医学を、わが国では幕末以来「漢方」と称し今日に至っている。中国には約3000年、日本にはその半分の約1500年の歴史がある。中国伝統医学は紀元前、春秋~戦国時代を通じて形成され、漢代にその基盤が確立した。日本では6~7世紀の飛鳥時代に中国医学が伝わり、日本なりに受容され、しだいに特有の様相を呈していった。近年、中国でも日本でも相次いでその変遷を示す史料が発見され、過程が明らかになってきた。このグラビアではセミナー「過去からのメッセージ」と連繋してその一端を紹介する。
オピニオン
Editor's Eye
ベランダ
  • 奥 直人, 竹本 佳司, 細谷 健一, 小賀坂 康志, 楠原 洋之
    2016 年 52 巻 6 号 p. 501-506
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/06/01
    ジャーナル フリー
    日本薬学会では英文誌であるChemical& Pharmaceutical Bulletin (CPB)、Biological& Pharmaceutical Bulletin (BPB)、和文誌である薬学雑誌を学術誌として発行しています。J-STAGEが進める海外向けインターフェース開発において、CPBとBPBが協力誌として選ばれました。今後のジャーナルのあり方や振興策について、現学術誌編集委員長、編集長、JSTの方と話題交換する機会を設けることになりました。薬学会の学術誌活動を会員に知ってもらい、参加を促す切欠になれば幸いです。
挑戦者からのメッセージ
  • ポルフィリン類の幾何構造と分光学的性質を専門として
    小林 長夫
    2016 年 52 巻 6 号 p. 507-509
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/06/01
    ジャーナル フリー
    動植物中には多くの機能中心として金属ポルフィリンが存在し、又類縁体である人工のフタロシアニンは多方面で応用され“機能性色素の王様”と呼ばれるにふさわしい化合物である。機能にはしばしば色が関係しており、色は更に吸収スペクトルと関係している。ポルフィリン類の幾何構造と分光学的データからそれらの相関を理論的に解釈し、未知ポルフィリン色素をデザインする際の指針とする事を目指した。
セミナー
  • 中国日本の伝統医薬学
    小曽戸 洋
    2016 年 52 巻 6 号 p. 510-514
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/06/01
    ジャーナル フリー
    漢方や和漢薬にかかわりをもつ薬学関係者は少くないであろう。伝統薬は人類の永年の経験によって薬物としての評価を与えられた天然物である。人間なくして薬など存在するはずもなく、当然、その来歴(沿革・歴史)がわからなければ、その薬物としての意味はわからない。薬学関連学会に日本薬史学会というのもあるが、近世~近代史が中心で、悠久なる東アジア文化圏の伝統医薬学(漢方・本草)に通じている研究者はほとんどいないといっても過言ではない。
    筆者は北里大学東洋医学総合研究所の医史学研究部において長年、中国・日本の伝統医学史の研究に取組んできた。今回ご要請により、巻頭グラビアと連繋して、種々の研究の中から新知見を交え、その一端を紹介することにしたい。
ミニ特集 話題
ミニ特集 話題
ミニ特集 セミナー
  • 臨床試験の実施と解析における応用
    速水 耕介, 都築 繁利, 渡邉 泰雄
    2016 年 52 巻 6 号 p. 525-529
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/06/01
    ジャーナル フリー
    「食品の機能性に関するエビデンスの検証:臨床試験の実施と解析における応用」
    横浜薬科大学 食化学・総合健康メディカルセンター
    速水耕介、都築繁利、渡邉泰雄

    機能性を有する食品の有効性評価について、①過去に臨床試験が実施されなくても伝承的に信じられた機能性である「アルコール飲料に因る不快感を減少」効果を臨床薬理学的に適確な方法を用いて実証し裏づけた。②過去の研究報告では、少数ながら軽度疾患者までを含む集団に対する報告が珍しくない。 従って、現在の選択基準に沿った母集団に対しての有効性の検索をメタアナリシスで用いられる解析方法を用いて、統合解析を試みた。
ミニ特集 最前線
  • 機能性表示食品成分グリシンを中心として
    安居 昌子, 坂内 慎
    2016 年 52 巻 6 号 p. 530-533
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/06/01
    ジャーナル フリー
    昨年消費者庁が機能性表示制度の導入を開始し,睡眠に関する機能性表示の届け出が受理された商品を市場で見かけるようになった.グリシンは機能性表示が受理された成分の一つであり,摂取すると脳の視交叉上核にあるNMDA受容体に作用し,末梢血流の増加,深部体温の低下を介して睡眠の質が向上することが報告されている.本稿ではグリシンを中心に最近の睡眠改善食品成分のメカニズム,効果に関する最近の研究開発の紹介を試みることとする.
ミニ特集 最前線
セミナー:創薬科学賞
  • 日本発/次世代の酸分泌抑制薬
    西田 晴行
    2016 年 52 巻 6 号 p. 539-543
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/06/01
    ジャーナル フリー
    酸関連疾患に対する治療薬の歴史と振り返ると、より強く、より長く胃内のpHを制御できる薬剤を求めて研究開発が行われてきた。我々は「最強の酸分泌抑制薬」と言われるプロトンポンプ阻害薬(proton pump inhibitor: PPI)の課題を克服する「究極の酸分泌抑制薬」を目指して創薬研究を続け、強い胃酸分泌抑制効果と長い作用持続を有するボノプラザンを見出した。ボノプラザンは、酸に安定で水溶性に優れ、また、PPI(ランソプラゾール)の課題とされた作用発現の遅さ、効果の個人差および食事の影響などの改善が期待できる作用特性を示した。日本発の次世代医薬品として大きな貢献が期待される。
承認薬インフォメーション
  • 新薬紹介委員会
    2016 年 52 巻 6 号 p. 544-545
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/06/01
    ジャーナル フリー
    このコラムでは既に「承認薬の一覧」に掲載された新有効成分含有医薬品など新規性の高い医薬品について,各販売会社から提供していただいた情報を一般名,市販製剤名,販売会社名,有効成分または本質および化学構造,効能・効果を一覧として掲載しています.
    今回は,52巻4号「承認薬の一覧」に掲載した当該医薬品について,表解しています.
    なお,「新薬のプロフィル」欄においても詳解しますので,そちらも併せてご参照下さい.
在宅医療推進における薬剤師のかかわり
製剤化のサイエンス
  • 道中 康也
    2016 年 52 巻 6 号 p. 549-551
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/06/01
    ジャーナル フリー
    一般名:オキシブチニン塩酸塩
    薬価収載日(西暦表記):2013 年 5 月 24 日
    過活動膀胱治療で永らく使用されているオキシブチニン塩酸塩を主薬とする経皮吸収型製剤ネオキシテープを開発した。オキシブチニンの経皮吸収性を高めるため、適度な薬物溶解性をもつゴム系基剤を選択した。さらに伸縮性を有する支持体を採用することで、良好な付着性を確保している。本剤を用いた比較臨床試験により、抗コリン性副作用である口内乾燥と便秘の発現率はプロピベリン経口投与群よりも低値であることが示された。
薬学実践英語
トピックス
  • 兵藤 憲吾
    2016 年 52 巻 6 号 p. 557
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/06/01
    ジャーナル フリー
    連続不斉炭素中心にブロモ基ならびにクロロ基が隣接する構造を有するテルペン類の多くは,海洋資源から単離され,ユニークな生理活性を示すことが知られている.一方でその選択的な合成法に関しては,これまで十分に開拓されていなかった.今回Burnsらは,独自に開発した化学・位置およびエナンチオ選択的ジハロゲン化反応を応用し,1975年に紅藻類Portieria hornemanniiから単離されヒトがん細胞に対して前例のない活性プロファイルを示す2)海洋天然物(+)-halomon(1)の不斉合成に成功したので,以下に紹介する.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) Hu D. X. et al., J. Am. Chem. Soc., 137, 3795-3798 (2015).
    2) Fuller R. W. et al., J. Med. Chem., 35, 3007-3011 (1992).
    3) Bucher C. et al., J. Am. Chem. Soc., 137, 12784-12787 (2015).
    4) (a) Schlama T. et al., Angew. Chem. Int. Ed., 37, 2085-2087 (1998) ; (b) Sotokawa T. et al., Angew. Chem. Int. Ed., 39, 3430-3432 (2000).
  • 中島 理恵
    2016 年 52 巻 6 号 p. 558
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/06/01
    ジャーナル フリー
    含窒素ビスホスホネート(nitrogen-containing bisphosphonates:N-BPs)は,骨粗しょう症や骨ページェット病などに伴う骨量減少症状の治療に用いられる代表的な薬である.これらの化合物は骨への親和性が高く,破骨細胞に取り込まれてファルネシルピロリン酸合成酵素(farnesyl pyrophosphate synthase:FPPS)を阻害し,破骨細胞の骨吸収作用を抑制する.安全で効果も高い一方,骨への親和性が高すぎることによる顎骨壊死などの副作用や,ホスホン酸基を2つ有することによる経口吸収性の低さなどの課題がある.そしてN-BPsにおいては,骨への親和性とFPPS阻害に必要な構造が同じであるため,副作用を回避する目的で骨への親和性を下げようと官能基変換すると,FPPS阻害活性も同時に下がってしまうというジレンマがあった.最近,上記課題の解決に有望な,骨を標的とする医薬品のデザインに関する新しい方法がJahnkeらにより報告されたので,本稿で紹介したい.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) Jahnke W. et al., Angew. Chem. Int. Ed., 54, 14575-14579 (2015).
    2) Jahnke W. et al., ChemMedChem, 5, 770 (2010).
  • 深谷 知宏
    2016 年 52 巻 6 号 p. 559
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/06/01
    ジャーナル フリー
    亜麻仁油はアマ科植物であるアマ(Linum usitatissimum)の種子から搾油・精製される油であり,ω-3脂肪酸の1つであるα-リノレン酸(ALA)を豊富に含むことが知られている.このALAは体内でエイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)に代謝されるが,これらは抗アレルギー効果や抗炎症効果を持つことが明らかとなってきている.しかしながら,これらω-3脂肪酸代謝物の食物アレルギーにおける役割についてはあまり解析が進んでいない.今回,Kunisawaらは亜麻仁油の摂取で増加するCYP経路依存的EPA代謝物の17,18-エポキシエイコサテトラエン酸(17,18-EpETE)を食物アレルギー抑制物質として同定したので紹介する.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) Buckley C. D. et al., Immunity, 40, 315-327 (2014).
    2) Kunisawa J. et al., Sci. Rep., 5, 9750 (2015).
  • 森山 圭
    2016 年 52 巻 6 号 p. 560
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/06/01
    ジャーナル フリー
    製剤分析において,近赤外分光法やラマン分光法を応用した分光イメージング法は極めて有用なツールであり,近年ハードウエアの進化に伴い,その応用範囲は拡大の一途にある.従来は,製剤内部の医薬品成分分布状態の可視化などの静的イメージングが分光イメージングの主流であったが,最近では,測定および解析の高速化により,状態の経時変化をイメージングで追跡する動的イメージングも可能となっている.Wrayらは,モデル製剤の溶解過程を近赤外イメージングとラマンマッピングを併用しながらリアルタイムでモニタリングし,経時的に溶解現象を解析している.今後の製剤分析分野では,このような動的イメージング解析に基づいた溶解過程の研究が広く展開されるものと期待される.本稿は,溶解過程で何が起きているかモニタリングしたWrayらの文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) Gendrin C. et al., J. Pharm. Biomed. Anal., 48, 533-553 (2008).
    2) Gerich A. et al., “Raman, Infrared and Near Infrared Chemical Imaging”, Šašic S., Ozaki Y. (Eds.), John Wiley&Sons, Hoboken, 2010, pp.205-226.
    3) Wray P. S. et al., Int. J. Pharm., 493, 198-207 (2015).
  • 石川 保幸
    2016 年 52 巻 6 号 p. 561
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/06/01
    ジャーナル フリー
    脳深部刺激療法(deep brain stimulation:DBS)は脳内に深部刺激電極を留置して標的の脳領域を電気刺激することで異常な神経活動を制御する,主に不随意運動症に対する外科治療として普及している優れた治療法の1つである.脳内に深部刺激電極を留置して特定の脳領域を電気刺激することで異常な神経活動を制御する.日本ではパーキンソン病の手術療法の1つとして,DBSが保険適用されている.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) Laxton A. W. et al., Ann. Neurol., 68, 521-534 (2010).
    2) Shirvalkar P. R. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 107, 7054-7059 (2010).
    3) Hao S. et al., Nature, 526, 430-434 (2015)
    4) Moretti P. et al., J. Neurosci., 26, 319-327 (2006).
    5) Samaco R. C. et al., Hum. Mol. Genet., 22, 96-109 (2013).
  • 高橋 弘
    2016 年 52 巻 6 号 p. 562
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/06/01
    ジャーナル フリー
    グルタミン酸は,中枢神経系で主要な興奮性神経伝達物質の1つである.グルタミン酸は,前シナプス終末から放出され,シナプス間隙を拡散し,受容体に結合する.このシナプス伝達は,グルタミン酸トランスポーター(excitatory amino acid transporters:EAATs)によるグルタミン酸の細胞内への取り込みにより終了する.現在までに5種類のEAATs(EAAT1―5)が同定されており,前脳ではEAAT2が最も多く発現している.EAAT2は,グリア細胞の1つであるアストロサイトに発現し,シナプス間隙で90%のグルタミン酸の取り込みに寄与している.つまり,EAAT2の発現減少によるグルタミン酸シグナルの増強は,興奮毒性によるダメージを細胞に与えるため,うつ病などの疾患に影響をおよぼす.本稿では,即効性の抗うつ薬として期待されるケタミンが,慢性ストレスにより減少したEAAT2発現を回復させることを報告したLiuらの論文について紹介する.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) Fontana A. C., J. Neurochem., 134, 982-1007 (2015).
    2) Liu W. X. et al., Psychopharmacology, 233, 405-415 (2016).
    3) Sanacora G., Banasr M., Biol. Psychiatry, 73, 1172-1179 (2013).
    4) John C. S. et al., Neuropsychopharmacology, 40, 1700-1708 (2015).
  • 秋山 雅博
    2016 年 52 巻 6 号 p. 563
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/06/01
    ジャーナル フリー
    エネルギー代謝の不均衡は生体に様々な悪影響を及ぼす.特に,摂取エネルギーの過多は肥満や糖尿病,心疾患などのリスク要因となるため適切なエネルギー消費が健康維持のためには重要である.エネルギー消費には様々な環境要因が関連し,特に温度や運動はエネルギー消費に影響する重要な環境要因であることが古くから知られている.しかし,環境要因とエネルギー代謝を結び付けている分子機構については,いまだ十分な理解を得ていない.本稿では環境ストレスに対応する転写因子として知られるheat shock factor1(HSF1)が環境要因とエネルギー代謝を結び付ける重要なセンサータンパク質であることを明らかにしたMaらの論文を紹介する.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) Ma X. et al., Cell Metab., 22, 695-708 (2015).
    2) Akerfelt M. et al., Nat. Rev. Mol. Cell Biol., 11, 545-555 (2010).
    3) Minsky N., Roeder R. G., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S. A., 112, E5669-5678 (2015).
  • 藤井 美佳
    2016 年 52 巻 6 号 p. 564
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/06/01
    ジャーナル フリー
    近年,薬物投与法の1つとして経皮ドラッグデリバリーシステム(TDDS)が注目されている.TDDSは,肝初回通過効果を回避できることや,長時間の連続投与が容易に行えることなど多くのメリットを有している.ナノエマルション(NE)は,調製法が簡便であり,安定性が高いことから,TDDSキャリアとして期待されている.本稿では,皮膚リーシュマニア症(CL)治療に向けたNEについて紹介する.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) Jiyauddin K. et al. , Int. J. Pharm. Sci. Res., 6, 1845-1854 (2015).
    2) Mattos C. B. et al., Int. J. Nanomed., 10, 5529-5542 (2015).
    3) Baroli B. et al., J. Invest. Dermatol., 127, 1701-1712 (2007).
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総説目次
薬学と50年
談話室
  • 伊藤 清美
    2016 年 52 巻 6 号 p. 545
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/06/01
    ジャーナル フリー
    定期試験を風邪で欠席したとか,成績を教えてほしいといった学生からの連絡をメールで受け取ることが多くなったが,短いメールの文章でも,その学生の文章力がよく反映されている.論理的で読みやすい文章を書く能力は,日本人として生きて行く上で,また社会で活躍するために,非常に重要であると感じている.大学に入学するまでに国語の授業などで訓練を受けて来るはずであるが,その能力には大きな個人差があり,学業成績とは必ずしも相関しない印象である.留年を繰り返すような学生でも,文章力には感心することがある.
新刊紹介
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