2017 年 53 巻 1 号 p. 25-29
T細胞の抗原特異的応答の調節に関わる共刺激には、正と負のシグナル分子が存在し、反応の場と時間経過という可変因子を加えて時空間的に巧妙なT細胞応答調節がされている。特に、免疫チェックポイント阻害薬と呼ばれる負の共刺激分子 PD-1および CTLA-4を標的とした阻害抗体は、がん免疫療法をがん治療の第4の柱として加えつつあり、がん治療戦略にパラダイムシフトを起こしている。本稿では、共刺激分子研究の基礎から免疫チェックポイント阻害薬の臨床応用までを概説する。