人工知能や各種センサーの進歩により,公道における自動運転による自動車の走行が現実味を帯びてきた.しかし,自動運転は都市部における右折で課題が多いとされる.右折時には,対向車や反対車線を走る車,横断歩道を渡る歩行者への注意が必要となるからである.また,自動運転に限らず通常の運転でも右折時には事故が起きやすい.以上より,右折を禁止した交通は有用と考えられるが,右折禁止は交通トリップの距離を増大させることは明らかである.本研究では,格子状の道路網において,街区に沿ってトリップの起点と終点が独立かつ一様に分布する状況を想定し,右折禁止の場合と現状とを比較した.道路網内の単位トリップ当たりの平均距離の解析表示を導出することで,右折禁止交通による道路網内の平均距離がどの程度伸びるかを解析的に示した.