2017 年 53 巻 1 号 p. 45-48
がんに対する治療法として、免疫チェックポイント阻害剤の有効性が臨床試験で近年明らかになるとともに実地臨床においても適応が拡大中であり、がん免疫療法は非常に注目されている手段となってきている。一方で、その奏功率は例えば非小細胞肺がんに対する抗PD-1抗体療法は20%前後と十分ではなく、従来の殺細胞性抗がん剤や分子標的治療薬とは異なる副作用も報告され、さらにはその高額な薬剤費が社会的な問題ともなっている。基礎研究、臨床研究、さらには医療経済の観点からも、免疫チェックポイント阻害剤に限らずがん免疫療法全般において、奏功する患者群を明らかにするための効果予測診断法、バイオマーカーの同定が切望されている。