ファルマシア
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タマリンド種子由来多糖のNose-to-Brain(N2B)への応用
鈴木 直人
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2017 年 53 巻 11 号 p. 1114

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抄録

血液脳関門により脳への送達が制限される水溶性薬物の投与方法として,経鼻投与法が注目されている.経鼻投与における主な薬物の吸収部位は,鼻腔内の嗅粘膜と言われており,薬物が血液脳関門を回避し,鼻から脳に直接送達される経路(nose-to-brain:N2B)が存在する.しかしながら,生体防御機能の1つである粘膜繊毛クリアランスにより薬物などの異物は食道へ排除されるため,脳に到達する薬物は経鼻投与されたうちの1% にも満たない.そのため,製剤に粘膜付着剤を添加することにより,嗅粘膜における薬物の滞留性を向上し,水溶性薬物の脳への送達が改善できる.
なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
1) Michael I. U. et al., Adv. Drug Deliv. Rev., 57, 1640-1665(2005).
2) Sasi B. Y. et al., Carbohydr. Polym., 163, 216-226(2017).
3) Jeffrey J. L. et al., Adv. Drug Deliv. Rev., 64, 614-628(2012).

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© 2017 The Pharmaceutical Society of Japan
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