ファルマシア
Online ISSN : 2189-7026
Print ISSN : 0014-8601
ISSN-L : 0014-8601
トピックス
ミトコンドリアでのミスフォールドタンパク質の新規分解経路:MAGIC
酒井 伸也
著者情報
ジャーナル フリー

2017 年 53 巻 11 号 p. 1115

詳細
抄録

ストレス環境下で生成したミスフォールドタンパク質は,多くの場合凝集体となり細胞内に蓄積する.タンパク質凝集体は細胞の恒常性維持の妨げになるため,オートファジーやプロテアソームによる分解によって処理されることが知られている.これまで酵母細胞では,熱ストレスで生成したタンパク質凝集体がミトコンドリアの表面に集積することが知られていたが,その細胞生理学的な意義は不明であった. 今回紹介する論文は,このタンパク質凝集体がミトコンドリアに取り込まれて分解されることを明らかにした.このタンパク質の品質管理システムを,Ruanらはmitochondria as guardian in cytosol(MAGIC)と名付けている.
なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
1) Zhou C. et al., Cell., 159, 530-542(2014).
2) Ruan L. et al., Nature, 543, 443-446(2017).
3) Neupert W. et al., Annu. Rev. Biochem., 76, 723-749(2007).
4) Lin M. T. et al., Nature, 443, 787-795(2006).

著者関連情報
© 2017 The Pharmaceutical Society of Japan
前の記事 次の記事
feedback
Top