2017 年 53 巻 2 号 p. 134-138
「疫学研究に関する倫理指針(以下,疫学指針)」と「臨床研究に関する倫理指針(以下,臨床指針)」の適用範囲やその関係が不明瞭であるがゆえに,どちらの指針に従い対応すればよいのか,しばしば混乱が生じていた.そのような状況下,「臨床研究・治験活性化5カ年計画2012」における提言などもあり,2013年2月より両倫理指針の改訂作業がまとめて進められ,2014年12月22日に「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針(平成26年文部科学省・厚生労働省告示第3号)」の公布,平成27年2月9日に「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針ガイダンス」の発出がなされ,平成27年4月1日に施行された(モニタリング・監査に関する規定は2015年10月1日施行).
そこで本稿では,「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針(以下,新指針)」のポイントについて,疫学指針および臨床指針と対比等を行い,筆者の知見を交えて概説する.