抄録
脳内の免疫担当細胞であるミクログリアは,例えば細菌感染により活性化し,炎症反応や貪食反応を介して細菌を除去し,ニューロンを保護する.一方,神経変性疾患で活性化ミクログリアの集積が認められることから,過剰に活性化したミクログリアはニューロンを障害すると考えられている.ミクログリアの核酸や糖脂質など高分子に対する応答機序は比較的よく知られているが,化学物質のような低分子に対するミクログリアの応答には議論がある.本稿では,三酸化二ヒ素によるミクログリア活性化と神経障害に関するMaoらの論文を紹介する.
なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
1) Mao J. et al., Toxicol. Appl. Pharmacol., 303, 79-89(2016).
2) McCann M. J. et al., Neuroscience, 72, 273–281(1996).
3) Shinozaki Y. et al., Sci. Rep., 4, 4329(2014).