ファルマシア
Online ISSN : 2189-7026
Print ISSN : 0014-8601
ISSN-L : 0014-8601
トピックス
妊娠高血圧腎症におけるVEGF受容体の重要性
堀田 祐志
著者情報
ジャーナル フリー

2017 年 53 巻 4 号 p. 363

詳細
抄録
妊娠20週以降に高血圧,蛋白尿を呈する妊娠高血圧腎症は,胎盤の血流量の低下に伴い胎児の発育不全を生じさせる場合がある.これまでにGantらは,妊娠時には通常アンジオテンシンⅡ(AngⅡ)による血圧上昇が抑制されるが,妊娠高血圧腎症を発症した女性では,このAngⅡによる血圧上昇が抑制されないことを報告している. 血管内皮増殖因子(VEGF)受容体1の変異体である可溶性fms様チロシンキナーゼ1(sFLT-1)は,組織中や血中でVEGFや胎盤増殖因子に結合して抗血管新生作用を発揮する.妊娠高血圧腎症患者において,sFLT-1レベルが上昇するという報告もあるが,sFLT-1レベルがAngⅡによる血圧上昇作用におよぼす影響は不明である.本稿では,この妊娠高血圧腎症におけるAngⅡの血圧上昇に対するsFLT-1の役割を明らかにしたBurkeらの研究を紹介する.
なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
1) Gant N. F. et al., J. Clin. Invest., 52, 2682-2689(1973).
2) Burke S. D. et al., J. Clin. Invest., 126, 2561-2574(2016).
3) Seligman S. P. et al., Am. J. Obset. Gynecol., 171, 944-948(1994).
4) Sandrim V. C. et al., Hypertension., 52, 402-407(2008).
5) Rafikov R. et al., J. Endocrinol., 210, 271-284(2011).
著者関連情報
© 2017 The Pharmaceutical Society of Japan
前の記事 次の記事
feedback
Top