2017 年 53 巻 7 号 p. 676-680
うつ病は抑うつ気分と興味または喜びの喪失など多様な症状で構成された幅広い症候群である。精神疾患の脳画像研究において、高い空間分解能が得られ、被爆もなく非侵襲的に脳血流動態を観察する手法として、機能的磁気共鳴画像法 (functional Magnetic Resonance Imaging: fMRI)がある。本稿では、うつ病でfMRIを用いた脳画像研究と、抗うつ薬に関連して見られる脳機能変化を概説し、最後にわれわれがこれまで行ってきたうつ病の診断・治療に関するバイオマーカー開発に向けた研究を紹介する。