抄録
がん対策推進基本計画に基づき、日本のがん医療体制の整備が行われてきた。各都道府県や医療圏毎にがん診療連携拠点病院が整備され、がん医療の中核を担っている。
しかし、拠点病院の現況報告において、精神科医や心理士などの配置については十分と言える状況になく、がん患者全員に、専門的精神心理的ケアを行うことは不可能な状況となっている。
どの段階のがん患者に対しても接している医師や看護師、薬剤師が、がん患者の心理状態を理解し対応することでトリアージ機能を担い、より深い対応が必要なケースは専門家に繋ぐことが可能となる。結果として限りある資源を有効活用でき、がん対策推進基本計画の課題を達成できるものとなる。この現状と薬剤師教育への取り組みについて紹介する。