ファルマシア
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FYI(用語解説)
量子ドット
権田 幸祐
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2018 年 54 巻 1 号 p. 54_3

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抄録

量子ドットは半導体の結晶をコアとしており,発する蛍光波長は半導体材料や粒径(結晶数)によって決定される.よく利用される材料はCdSeであるが,同じ材料でも粒径を1〜10nmと変えることでバンドギャップが変化し,青から赤に蛍光波長が変化する.市販製品は蛍光特性の改善のためにZnSシェルでコートされ,さらに他分子との結合用にアミノ基やカルボキシル基がPEGなどのポリマーコーティングを介して表面に提示されており,粒径が10〜20nm程度となっている.1粒子の量子ドットは,1分子の有機系蛍光分子と比べ,数十倍以上の蛍光強度,数百倍以上の耐光性,励起波長の多様性などの光学特色を持つ.

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© 2018 The Pharmaceutical Society of Japan
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